Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
「どこへ行くんですか……だしぬけで、ちっともわからないんですけど……」
「いや、ご尤もです。しかし、ここでそれをお話しするわけには参りません。いわば私はただ使いなのでありまして、ある方から命令で、お迎えに上ったようなわけであります」
――おやおや、これはすこしへんな話になって来たぞ!――と、英夫は、心の中で思った。この客がどういう人間か――軍人らしいという想像だけはつくのだが、それにしても身分もはっきりわからないし、ある方の命令をうけて来たという。ある方というのは一体誰なのだろう。重大な用件というのは、どんなことなのか。また、迎えに来たというのだが、僕をどこへ連れて行こうというのだろう。いや、それはそのある方のいるところに違いない。すると、ある方というのは兄さんのことかしら、そうだ、そうかも知れない、いや、そうに違いない……。
「ある方って、兄さんのことですか?」
「いや、河井中尉殿ではありません。中尉殿の今おられるところをご存じないのですか?」
英夫はすこし紅くなった。兄の居所さえも知らないということが、恥かしかった。
「知りません」
すると、すこし気の毒そうに、