Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme

Aozora Bunko

謙一は、それを目がけて、ざんぶと身をおどらした。

五十メートルほども先の岩角で、祥子はやっと謙一の腕につかみとられた。

ダイヤ族の若者たちは、それに力を得て、巧みに舟を漕ぎ寄せ、祥子たちを救い上げた。

幸い、気をうしなっていたせいで、水はあまり飲んでいなかった。

手ごろな岩のところに舟を漕ぎ寄せて、人工呼吸をすると、すぐ息をふきかえした。

丸木舟の旅はまたつづけられて行った。

そして、ある日――。

はるかかなたに、とうとうと瀑布のおどり下る音を聞いた。――神の庭への滝だった。

その音に耳をすましていたダイヤ族の若者たちは、ぶるぶるとふるえだし、ここから自分たちを帰してくれるように、謙一にせがみはじめた。

謙一は許さなかった。――半分はおどすようにして、ともかく滝の近くまで来た。

およそ五十メートルほどの幅の滝が、直下三十メートルほどの所に深淵をたたえた滝壺に、濛々と、霧のような飛沫をあげて、落下しているのだった。

ダイヤ族の若者は、もう顔色をかえてそこそこに暇をつげて立去った。

「これから、どうするんです、兄さん、この滝と、旦斎先生のあの秘境との間に何か関係があるんですか?」