Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
特別仕立の大型旅客機で、陸海軍の軍人や、お役人や、新聞社の人も二、三人乗っているとのことだった。皆、支那や南の方に重要な任務をおびて行く人たちばかりである。
その中には、ゆうべ将軍の部屋で会った平林大尉も乗っていた。
英夫はゆうべから、小母さんをせき立てて大急ぎで旅行の支度をした。熱いところへ行くので持ち物もほんのわずかですんだ。それでも小母さんは、薬や、そのほかのこまごましたものに何かと気をくばってくれた。
約束の時間に、村山曹長が、自分で自動車を運転してやって来た。きのうはじめて来た時とは違って、もうすっかり打ちとけて、小母さんとも、園部家や祥子の噂をしていた。
「ほんとうに祥子さんがおかあいそうですよ」
小母さんがいった。
「私も内地におれば必ず探し出すつもりでしたが、それが出来なくなりました……ここ二三日のうちに、また新らしい任地に出発するのです」
曹長は、太いため息をついた。
「じゃ、私もご一緒に心当りを探してさし上げましょう。英夫さんともちいさい時からのお友達で、よそ様のような気がしませんものね」
「何ぶん宜しくお願いいたします」
曹長の目がうるんでいた。