Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
王はしぶしぶ近くの扉に近づき、しばらくコトコト鍵の音をさせてから、すっとどこかへ消えて行った。
「もうすこしの辛抱さ、いいかね、ねえちゃん、うっかり外へ出て見つかろうもんなら、虻蜂とらずだ。お前さんはやっぱり箱の中に入っていなくっちゃあならねえよ」
趙はにやりと笑った。気味の悪い笑いだった。
祥子はなぜか、水を浴びたようにぞっとした。
王のくんで来た水を飲んで、祥子はやっと落着いた気持になった。
この男たちは一体何をしようとしているのだろう? あのトランクの中には何が入っているのだろう?
二人の支那人は、何かひそひそ話しあいながら、トランクを別な箱と箱の間に抱えこんで行った。
「さあ、これでよしと……」
二人の支那人は、しばらくしてから出て来た。
「さあ、ねえちゃん、お前さんはもとのところへけえるんだ。おれたちも、もう引揚げるからな……、そうだ、こんど来る時は何かうめえものを持って来てやらあ、はっはっは」
祥子がもとの箱の中へかえるのを見すますと、二人の男は、箱の蓋を気づかれないように、元どおりにし、やがて足音をしのばせて階段を下って行った。
祥子は急に不安になりだした。