Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
しかし、祥子の証言で、香港の香山飯店が、皇軍に占領される前からのスパイ団の巣窟であったことや、趙と王はそれに出入りしていた一味であったことだけはわかった。
英夫は、船長に頼んで、平林大尉宛に、船の中での出来事や、香山飯店のスパイ団の活動を無電で知らしてやった。
すると、間もなく大尉から、お礼と一緒に香山飯店の巣窟はたしかに突きとめたが、祥子の記憶で人相を知らしてやった、例の頭株らしいのも、飯店のおやじも、混血児らしい女も、いつの間にか逃げ出していて捕えることが出来なかった。しかしすぐ後を追跡中だから、いずれ必ず捕えてやるつもりだと、返電が来た。
――前途なお危険、警戒を乞う。
大尉の無電には、そうつけ加えてあった。
「趙は、この船が今までどおりの航路を通ると思ったもんだから、やつらに都合のいい機会を狙っていたらしいが、なあに、はじめから普通の航路を通らずに抜け道を通っているんですよ。趙がまごまごして爆破の機会をにがしたのはそのせいもあったんですね、はっはっは」
船長が笑った。
お誂えむきのところ――と、趙がいっていたのを思い出して、英夫は、船長の用意周到なのを頼もしく思った。