Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lesen Sie 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.829 Zeichen · 169 Bildschirme
機関部らしいところはどこにもついていないのである。
二人は絶望のどん底に落されたように、しばらく坐席に腰かけて、ぼんやり贅沢な御馳走を見つめていた。
「美味しそうね、そのサンドウィッチ食べてもいいか知ら」
祥子がいった。
「御馳走になったってかまわないけど、島のどこかに隠れていた方が、この船にぐずぐずしてるよりましらしいね、サンドウィッチと果物だけそっくり頂戴して行こう、あのビスケットだってどうなってるかわからないからね」
「賛成だわ、こんな立派な船を見すてるのはおしいけど、これ頂いて行きましょう」
英夫は、ガラスのコップを取りのけようとして、ふと、マホガニーの机の上に、白い小さな象牙の三つのボタンのあることに気づいた。
ボタンの上には、三つとも方向の違った金色の矢印がついていた。
「何でしょう、そのボタン?」
祥子も気づいたらしかった。
気をつけて見ると、二つのボタンの矢印は反対の方向についていて、もう一つのは横に向ってついているのだった
ためしに、反対の方向に矢印のついている二つのボタンのうちの、一つを指で押して見た。
すると、次の瞬間、二人には全く思いがけない、おどろくべき出来ごとがおこった――。