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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ

秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ

木暮 理太郎

Lesen Sie 秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ (ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.876 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

一同有り難く殿下の御料理を頂戴して、賑やかな食事を終った。敢て今回に限らず、御食事の際はいつも御自身お持ち合せの品で、御器用にいろいろの料理をおつくりになる。其御堪能さにお伴の者は、手を拱して感じ入るのみであった。暫くして新聞社の写真班の山口君が野営の御有様を拝写したいと願い出た。殿下は「山賊の住家のようだね」と仰しゃりながら撮影をお許しになった。

槇君と私とは別に天幕を張る積りであったが、殿下の仰の儘に同じ天幕に泊めて戴くことになったのは誠に思い設けぬ光栄であった。人夫が自分たちの用にあてる天幕を忘れて持って来なかったので、お荷物にかける携帯天幕を人夫用にお貸下げになって、お荷物は皆天幕の中に入れた為に、嘸かしお窮屈でいらせられた御事と恐懼に堪えない。

夜半に幾度か霧雨が天幕を叩いた。私はふと一頭の大きな熊が天幕に近寄って来るのを見て、大声を揚げて之を追った。其声に自分で眼がさめた。翌朝になって殿下から「昨夜は大きな声を出しましたね、如何したんですか」とおたずねをうけたので、さてこそ懸念していた通り殿下の御安眠をお妨げ申したのかと、お詫と共に夢のことを申上げると、殿下は「そうでしたか」