Japanische Klassiker mit Furigana
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ほどよいひと
程よい人
豊島 与志雄
Lesen Sie 程よい人 (ほどよいひと) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.328 Zeichen · 21 Bildschirme
まかり間違ったら、僕自身の給料をそっくり返済にあてるつもりです。
私の月給は一万円と少しばかりあるし、この儀に不安はない。ただ伯父というのだけが方便であるが、それも言葉の上のことで、他から金がはいる約束になっているのだ。
――どうにもせっぱつまったというほどのことでもないし、是非ともとお願い出来る事柄でもないが、もし融通して貰えたら、たいへん仕合せだと、お話してみたのです。
少しくゆとりを示しておくことが必要なのである。
――この節は、病気をしたらとてもいけませんね。診察料のほか、注射薬、飲み薬、頓服薬と、どれもこれもばか高いし、その上に滋養物をとらなければならないし、僕のような貧乏人には大恐慌です。まあ僕が丈夫だからいいようなものの、然し、母と妹と三人暮しの、その母なものだから、出来るだけのことはしてやりたいのです。母の病気がなおらないうちは、僕は結婚もすまいと、心ひそかにちかってるような次第です。今住んでる家が、戦災にもあわずに残ったので、日常に不自由はしませんが、売り払ってよい金目の物もありませんし、あまりひどい筍生活をしても、母に心配をかけて病気に障ってはいけないと、あれやこれや考えて、まったく気が腐ってしまいました。