Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるゆうかくでのできごと

空にむかひて

若杉 鳥子

Lesen Sie 空にむかひて (あるゆうかくでのできごと) von 若杉 鳥子 (わかすぎとりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.677 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

早稲田出身の文学士様さえ、最初の月給は二十円から二十五円と、相場の定った新聞社の事ですから、私は初め見習として十五円を与えられました。電車代は別です。

自給するようになって、生まれて初めて月給を懐中にした時は、嬉しい気持ちよりも、顧みて一ヶ月の自分の労力が余りに安価に購われ、余りに又小さなる自らの力である事を心細く思いました。

十五円の中、

円   銭

一〇、        食料及び炭,油

六〇      湯銭

六〇      郵便

二、七〇      電車券私用分(三十日)

一、一〇      小遣い

と計算立てて見ましたが、此の中から英語の月謝を出そうと思っても出ません。既に郵便の六十銭は不足、一円十銭のお小遣いでは足袋が切れても、下駄が悪くなっても買えません。それに半襟が汚れるとか化粧品を買うとか、臨時費が多く出ますから足りる筈がありません。書物も買えず勉強も出来ない、これでは仕様がないと思って、知り合いの妻君に相談しますと、東京の生活は百円でも出来れば、五円でも出来るという。食料の方から月謝位出そうなものですねと云いました。