Japanische Klassiker mit Furigana
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くうをとぶパラソル
空を飛ぶパラソル
夢野 久作
Lesen Sie 空を飛ぶパラソル (くうをとぶパラソル) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.190 Zeichen · 40 Bildschirme
誰カ近所ノ親切ナ人ガ投ゲ込ンデ下サッタノデショウ。
記者様――
アノ鯉幟ノ棹ハ、私ガ酔ッタ勢イデ立テタモノデスガ、ソレガ記者様ノオ眼ニ止マッテ、コンナ不孝ナ恥ヲ晒ソウトハ夢ニモ思イマセンデシタ。シカシ私ハ、ドナタ様モ怨ミマセン。何モカモ、私ガ修養ガ足リナイタメニ、起ッタ事デス。私ハ皆様ニ対シテ申訳アリマセンカラ自殺シマス。ドウゾコノ大馬鹿者ノ最期ヲ、アナタノ筆デ、デキルダケ大キク世間ニ発表シテ下サイ。御社ノ御繁栄ヲ祈リマス。
五月十一日花房敬吾
福岡時報 記者様』
編輯長は、洋半紙に鉛筆で書いたこの手紙を、私の前に投げ出しながらフフンと笑った。
「ツイ今しがた来たんだ。その男はその手紙をポストに入れると、嬶の墓に参って、幟の細引を首に捲いて、鯉と一緒にブランコ往生をしていたんだ。二時間ばかり前に、あの松原を通った下り列車の乗客が見つけたんだがね、足下にウイスキーの小瓶がタタキ付けたったそうだよ……ハハハハハ」
私は茫然として編輯長の顔を凝視した。編輯長はやはり冷笑を浮めながら云った。
「君の筆もだいぶ立つようになったね」
私は笑いもドウもし得ないまま、何がなしにうなだれてしまった。