Japanische Klassiker mit Furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Lesen Sie 空中征服 (くうちゅうせいふく) von 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.687 Zeichen · 215 Bildschirme
「私のほうではよう払いませぬ」
「よろしい、それでは、原動機の運転中止を命じます」
「おそろしい権幕じゃなア……煙を出すのが、そんなに悪いことですか? 昨日、一昨日まで、いくら石炭をくべて煙を出しても誰も怒る人がおまへんでしたやないか! いったい、誰がそんなことをきめたのです」
「今度の市長です」
「今度の市長さんて、誰です」
「賀川さんです」
「ああ、あの馬鹿野郎ですか……いったい誰が、あんな男を市長にしたのですか? 」
「サア、とにかく私の役は罰金を貰う役ですから、罰金だけ貰いましょうかい」
「いや、私方ではそんな無法な、罰金なんかはよう払いませぬ」
「じゃ、機械の運転の中止を命じますよ」
「命じて下さい。そんな乱暴なことが出来るなら、いつでもやってみて下さい。昨日まで煤煙の出し放題であったものが、今日になって出せないという法がどこにあります」
「あなたは、あまり自分のことだけを考え過ぎて市民の迷惑というものを少しも考えておられないようだ」
監督官は、真面目にこう言うた。
「あほらしい! 自分の煙筒から煙を出すことが出来ないなんか……そんな煙筒をなぜ許しておくのだ! 煙筒は煙を出すためじゃないか、煙が出なかったら煙筒ではないじゃないか! 馬鹿野郎、ちっと考えてものを言え? 」