Japanische Klassiker mit Furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Lesen Sie 空中征服 (くうちゅうせいふく) von 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.687 Zeichen · 215 Bildschirme
「菊子さんだけ逃れられたのは幸運だったね」
「菊子が逃げて来たか? 」
「もう空中村へ行ったよ……どうして逃げられたのだ」
「あれはね、僕と市庁舎の裏で立話しをしていたのだ。その間に松島の一派が乱入したものだから、菊子はすぐ君の所へ逃げて来たのだ」
「労働団体はどんな態度を取っているのだね」
「労働団体は至極冷静だ。しかしボルセヴィキの一派はあなたに反対しているよ」
「そうだろうね。僕の言う、より根本的な改造は唯物社会主義者に理解が出来なかろうね」
「あなたの言う社会主義は現実の世界にあてはまらないユートピアン・ソシアリズムだから、かえって邪魔になると言うているよ」
「そうだろうね」
「しかし賀川さん、あなたも、どこかに逃げなくちゃ駄目だよ。君を第一に掴まえなければ承知せぬと言うているよ」
「僕は捕えられてもよいのだ。僕はなすべきことをしているのだから決して暴虐の手に屈しないのだ。真理はかつて破れたことがないからなア」
「そら来た!」
と島村が絶叫したが早いか蛇の目の熊五郎を初めとし、一味の徒党数十人、吸上機の前に立っている市長をめがけて飛んで来た。
「おい、賀川、貴様はよくまア、切支丹伴天連の法をもって我々をたぶらかしやがるなア。