Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

くうしゅうそうそうきょく

空襲葬送曲

海野 十三

Lesen Sie 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 95.012 Zeichen · 189 Bildschirme

Aozora Bunko

「なァに――」

長造は、何も知らぬお妻が、奥から印鑑をもって来るのを見ると、グッと唇を噛んで堪えた。

「大したことじゃないよ。郵どん」

「……」郵どんは、長造の胸の中を察しやって、無言で頭を下げた。そして配達証に判を貰うと逃げるように、店先を出ていった。

「あなた――」その場の様子に、早くも気付いたお内儀は、恐ろしそうに、やっと夫の名を呼んだだけだった。

「おお、お妻、一緒に、奥へ来な」

長造は、スタスタ奥の間へ入っていった。

店の前の、警戒管制で暗くなった路面を、一隊の青年団員が、喇叭を吹き吹き、通りすぎた。

空襲警報!

時刻は、時計の外に、一向判らぬ地下室のことであった。それは相当に規模の大きい地下室だった。天井は、あまり高くないけれど、この部屋の面積は四十畳ぐらいもあった。そして、この室を中心として、隣りから隣りへと、それよりやや小さい室が、まるで墜道のように拡がっているのだった。そして部屋の外には、可也広いアスファルト路面の廊下が、どこまでも続いていて、なにが通るのか、軌道が敷いてあった。地面を支える鉄筋コンクリートの太い柱は、ずっと遠くまで重なり合って、ところどころに昼光色の電灯が、縞目の影を斜に落としているのが見えた。