Japanische Klassiker mit Furigana
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くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
Lesen Sie 空襲警報 (くうしゅうけいほう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.838 Zeichen · 92 Bildschirme
「こーれ、よく聞け」
鉄造は一歩前に出て悲痛な声をはりあげ、
「貴様はそれでも、天皇陛下の赤子かッ! 大和民族かッ、五反田防護団員なのかッ! 恥を知れッ」
まァまァと分団長が中に入ったが、鉄造はそれをふり払いまた一歩前進した。
「忠勇なる帝都市民は、たとえ世界一の空軍の空襲をうけて、爆弾の雨をうけようが、焼夷弾の火の海に責められようが、帝都を捨てて逃げだそうなどとは思っていないぞ。こんどの国難においては、われわれ市民も立派な戦闘員なんだということがわからんか。考えてもみろ、貴様の家では、家族がみな逃げちまって空家になっているとする。そこへ敵の投下した焼夷弾が、屋根をうちぬいて家の中に落ちてきた。さあ、この焼夷弾の始末は誰がするのだ。おい、返事をしろ」
「……」
清さんは、赤くなって下を向いたきりだ。
「焼夷弾は、落ちて三十秒以内に始末しなかったら、火事になることはわかっている。空襲下で火事を出すのが、どんなに恐ろしいことか思っても見ろ。貴様の家の火事がわれわれの努力を水の泡にして、この五反田の町を焼き、帝都を灰にしてしまう。それでも貴様は日本人か。貴、貴様というやつは……」