Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

まどにさすかげ

窓にさす影

豊島 与志雄

Lesen Sie 窓にさす影 (まどにさすかげ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.068 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「あたし、淋しがりなんかしないわ。」

「だって、人形を壊したりして……。」

「壊れてたんですもの。」

「そんなら、捨てていらっしゃいよ。」

私は縁側から降りて、塵取を取り上げ、裏口の方へ行った。母と交わした対話が、謎のようだった。どうしてあんな対話になったのだろう。私もどうかしていたのかも知れないが、母もどうかしていたのかも知れなかった。

美しい朝日の光りに向って、私は深呼吸をした。

家の中に戻って、私は熱いお茶を飲み、それから仏間へ行った。雨戸を開けると、眼がさめるように明るくなった。仏壇はきれいに片附いていて、百合の花が匂っていた。私はその前に坐って、お燈明とお線香をあげた。祖母の遺骨が無くなってるのも、今では、却って清々しかった。私は掌を合せ、長い間頭を垂れていた。そして立ち上り、そこから出て行こうとして、ふと、母や父や兄と顔を合せるのが、ちょっと極り悪いような気がした。そんな思いは初めてだった。祖母が亡くなったからだったろうか。そればかりでなく、私がいくらかしっかりしてきたからだったろう。でも、そのことに自信はなかった。私はもう一度仏壇の前に引き返して、お線香をあげた。