Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たてふだ

立札

豊島 与志雄

Lesen Sie 立札 (たてふだ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.218 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「ああ、あの虫には、私も困っているのだ。何かよい工夫はあるまいか。」

「私に任せて下されば、すっかり取り除いてあげましょう。」

「それが、君には出来るかね。」

「出来ます。」

「うむ。君は何という者かね。」

「朱文という者です。」

そういうわけで、この背の高い朱文が張家に仕えることになったそうであります。その時彼は、三十歳だったといわれています。

朱文は張家の一房を与えられ、自ら奥地へ行って秘密な鉱石の粉末を求めて来、繩梯子を拵えて、楠の蓑虫駆除にかかり、遂にそれをやりとげてしまったそうでありますが、その詳細なことは分りかねます。ただ、これまで蓑虫に食い荒されていた楠の葉が、青々と艶々と茂るようになったのを、やがて、町の人たちは見て取りました。

ところで、楠の方の仕事に、朱文は一日のうち二三時間だけかかるきりで、大抵はぶらぶら遊んでいたようであります。殊に港の船着場に、彼の姿がよく見かけられました。

大河を上下する汽船や帆船が、種々の貨物をこの港に降してゆきました。赤濁りした河水が満々と流れているのを見るだけでも、なかなか面白いものですが、汽船や帆船の航行を見るのは、更に面白いものですし、それらの船から遠い土地の荷物が降されるのを見るのは、何より面白いものです。