Japanische Klassiker mit Furigana
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りゅうたんだん
竜潭譚
泉 鏡花
Lesen Sie 竜潭譚 (りゅうたんだん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.899 Zeichen · 30 Bildschirme
またほほえみたまいて、
「お前あれは斑猫といって大変な毒虫なの。もう可いね、まるでかわったようにうつくしくなった、あれでは姉様が見違えるのも無理はないのだもの。」
われもさあらむと思わざりしにもあらざりき。いまはたしかにそれよと疑わずなりて、のたまうままに頷きつ。あたりのめずらしければ起きむとする夜着の肩、ながく柔かにおさえたまえり。
「じっとしておいで、あんばいがわるいのだから、落着いて、ね、気をしずめるのだよ、可いかい。」
われはさからわで、ただ眼をもて答えぬ。
「どれ。」といいて立ったる折、のしのしと道芝を踏む音して、つづれをまとうたる老夫の、顔の色いと赤きが縁近う入り来つ。
「はい、これはお児さまがござらっせえたの、可愛いお児じゃ、お前様も嬉しかろ。ははは、どりゃ、またいつものを頂きましょか。」
腰をななめにうつむきて、ひったりとかの筧に顔をあて、口をおしつけてごっごっごっとたてつづけにのみたるが、ふッといきを吹きて空を仰ぎぬ。
「やれやれ甘いことかな。はい、参ります。」
と踵を返すを、此方より呼びたまいぬ。
「じいや、御苦労だが。また来ておくれ、この児を返さねばならぬから。