Japanische Klassiker mit Furigana
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たつたまるのちゅうどくじけん
竜田丸の中毒事件
宮本 百合子
Lesen Sie 竜田丸の中毒事件 (たつたまるのちゅうどくじけん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.558 Zeichen · 4 Bildschirme
船客の中には賀川豊彦氏も交っていて、この宗教家はアメリカなどでは大した信頼をつながれている人だそうだが、恐らくその小説の中で同様の事件があったのなら、何かの形で正義と人間愛の演説をされる機会を持たれただろうが、現実に自分の足の下の暑苦しい船室の中で起ったことに対しては片言もふれていなかった。
船の関係の人があらかじめこの人たちに頼んで沈黙をまもってもらったのなら、それは自ら又別なことである。そして私どもは、もしそうならばそういう手配は必要ではなかったことと感じている。一体にこの事については、一般がもっともっと注意を向けなければなるまいと思う。共同炊事や栄養食の配給ということは食べるものが清潔であるということが、いって見れば第一条件で、腐った鰯でも、卵でもそれが鰯である、卵であるという名目の上から抽象的なカロリーを計算して、そこに発生している猛毒の作用はぬいて食べさせられるとしたら大変なことだと思う。たとえば公定価格で魚の百匁は標準にされているが、魚屋は苦笑して曰く「さかなの肝腎な新しい古いはどうなるんだろうね」と。私たちが魚を一つ買うのにもこの頃はこういう微妙なかねあいのところを通っているということに、もう少し深く考えられてかかることだろうと思う。