Japanische Klassiker mit Furigana
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どうわをかくときのこころ
童話を書く時の心
小川 未明
Lesen Sie 童話を書く時の心 (どうわをかくときのこころ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.115 Zeichen · 7 Bildschirme
たとえ、自分達は、衣食に苦しまず、仕合にその日を送っているとしても、一歩外へ出て、あたりをながめれば、道を歩いても、電車に乗っても、いかに貧しく、不幸に暮す人達が多いかを発見するでしょう。そして、そういう人々を見た時に、やさしい、利巧な同情深い坊ちゃんや、お嬢さん達だったら、きっといろ/\のことを考え、また知りたいと思うでありましょう。こゝに、本当の人間としての本能があり、愛があり、良心があるのを、うかゞわれるのであります。
さらに、貧しい家に生れ、不遇に育った少年にしたところが、幸福の生活ということは、金持になることであり、また名誉を得るということは、立派な役人になることだけだと解するようなことがあってはならない。なぜなら、幸福とか名誉とかを思う者は人類のために働き、誠実に生きるということを忘れて、功利的に考え易いからです。徒らに、特権階級に媚びる文学は、小説といわず、少年少女の教育に役立つ読物といわず、またこの弊に陥っています。そのことが、いかに、純情、無垢な彼等の明朗性を損うことか分らないのみならず、真の勇気を阻止し、権力の前に卑屈な人間たらしめることになるのであります。