Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かぜのまたさぶろう

童話集 風の又三郎

宮沢 賢治

Lesen Sie 童話集 風の又三郎 (かぜのまたさぶろう) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.657 Zeichen · 113 Bildschirme

Aozora Bunko

向こうの曲がり角の所に三郎が小さなくちびるをきっと結んだまま、三人のかけ上って来るのを見ていました。

三人はやっと三郎の前まで来ました。けれどもあんまり息がはあはあしてすぐには何も言えませんでした。嘉助などはあんまりもどかしいもんですから、空へ向いて「ホッホウ。」と叫んで早く息を吐いてしまおうとしました。すると三郎は大きな声で笑いました。

「ずいぶん待ったぞ。それにきょうは雨が降るかもしれないそうだよ。」

「そだら早ぐ行ぐべすさ。おらまんつ水飲んでぐ。」三人は汗をふいてしゃがんで、まっ白な岩からごぼごぼ噴きだす冷たい水を何べんもすくってのみました。

「ぼくのうちはここからすぐなんだ。ちょうどあの谷の上あたりなんだ。みんなで帰りに寄ろうねえ。」

「うん。まんつ野原さ行ぐべすさ。」

みんながまたあるきはじめたときわき水は何かを知らせるようにぐうっと鳴り、そこらの木もなんだかざあっと鳴ったようでした。

五人は林のすその藪の間を行ったり岩かけの小さくくずれる所を何べんも通ったりして、もう上の野原の入り口に近くなりました。

みんなはそこまで来ると来たほうからまた西のほうをながめました。