Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜのまたさぶろう
童話集 風の又三郎
Lesen Sie 童話集 風の又三郎 (かぜのまたさぶろう) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.657 Zeichen · 113 Bildschirme
いつかいつものねずみいろの上着の上にガラスのマントを着ているのです。それから光るガラスの靴をはいているのです。
又三郎の肩には栗の木の影が青く落ちています。又三郎の影は、また青く草に落ちています。そして風がどんどんどんどん吹いているのです。
又三郎は笑いもしなければ物も言いません。ただ小さなくちびるを強そうにきっと結んだまま黙ってそらを見ています。いきなり又三郎はひらっとそらへ飛びあがりました。ガラスのマントがギラギラ光りました。
*
ふと嘉助は目をひらきました。灰いろの霧が速く速く飛んでいます。
そして馬がすぐ目の前にのっそりと立っていたのです。その目は嘉助を恐れて横のほうを向いていました。
嘉助ははね上がって馬の名札を押えました。そのうしろから三郎がまるで色のなくなったくちびるをきっと結んでこっちへ出てきました。
嘉助はぶるぶるふるえました。
「おうい。」霧の中から一郎のにいさんの声がしました。雷もごろごろ鳴っています。
「おおい、嘉助。いるが。嘉助。」一郎の声もしました。嘉助はよろこんでとびあがりました。
「おおい。いる、いる。一郎。