Japanische Klassiker mit Furigana
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こなゆき
粉雪
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 粉雪 (こなゆき) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.828 Zeichen · 8 Bildschirme
そのうちに一陣の風が来ると急に雪の形が変わって、今度は極めて細かい個々の結晶が、硼酸の結晶をまくように降って来る。何だか耳を澄ますと空でさらさらという音を立てているような感じである。こんな時の降雪の状態は粉雪ということになっているのであるが、この意味での粉雪は雪の結晶が個々の状態で降るというだけであって、その結晶形は六花樹枝状のものでも、角柱その他の形のものでもかまわないのである。
風が強くていわゆる風雪となると雪の状態はまた全然変わってくる。普通に吹雪という時の雪の中には、地上に積もった雪が風で吹き上げられたものと、本当に降って来たものとが混じっている。この後者の雪もまた粉雪と呼ばれるものであるが、この場合の粉雪は必ずしも結晶が個々の状態で降っているものとは限らない。
北海道の荒野の吹雪の景色ほど陰惨なものは無かろう。背の高いポプラの木が吹き折られそうに曲がり、人も馬も雪の中に埋まり、暗澹たる灰色の四囲の中をただ雪のみが横なぐりに吹いて殆ど水平に飛ぶ。このような時の雪の粒の一つを顕微鏡の下で調べて見ると、多くの場合は無定形である。時々樹枝状の結晶の枝の痕跡が見えることがあるが、全体としてはひどくちぢれ上がっていて、それに非常に小さい水滴が無数に着いているような形のものが多い。