Japanische Klassiker mit Furigana
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Lesen Sie 糞尿譚 (ふんにょうたん) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.974 Zeichen · 99 Bildschirme
を濡らして拭いた。きれいに拭きとってしまうと、急に、小森さん、ほんとうにすまんと思います、と細々とした口調で云った。彦太郎がおどろいて沢田を見ると、沢田は雑巾を掴んだまま、うつむき加減で、長い間お世話になっていて、今度のような無理を云いたくなかったけれども、私も子供が三人も居るし、近頃のような物価騰貴では、どうにもやって行けなくなったので、すまんと思いながら、あんなことを申しました、ありがとうございました、これから一生懸命に働いてお加勢をします、と云った。彦太郎は沢田の何時にないしんみりした口調に、なんとなく次第に胸が迫り、いや、いいんだよ、あんた、わしも、この頃のような物価騰貴では皆も困って居るだろうから、あげてやらねばいけないと思って居った矢先だったのだ、と心にもないことを云った。沢田は運転手台に上ると、ぶるぶると、エンジンをかけ、トラックは老いぼれた車体をゆすぶり、青い煙を尻からはいて、小屋を出た。さあ、お乗んなさい、と沢田は彦太郎を促した。彦太郎はトラック小屋の戸を閉め、錠前を下し、運転手台に乗った。昨夜電話があって、何か用事があるそうだから、赤組の大将のところに寄って下してくれ、と彦太郎は云った。