Japanische Klassiker mit Furigana
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「もん」
「紋」
黒島 伝治
Lesen Sie 「紋」 (「もん」) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.739 Zeichen · 10 Bildschirme
彼女は長いこと風呂に入らず、たまらなくなって、一度だけ隣村の銭風呂へ行ったりした。
地主の下男は、地子を集めるのに、まず第一番に、おりくの家へ荷車を引いてやって来た。
ばあさんは村を歩くのに、引けめを感じておず/\していた。旦那や御領ンさんに顔を合すのがおっかなくって、向うから来るのを見かけると、わざと道を外らした。大師講に参ると部屋の隅で小さくなっていた。が、今度こそは、再び猫が帰って来る気遣いないので、やっと助かった思いをしていた。
「おりくさん、猫をあっちイ積んで行(い)たんはえいけれど、とう/\殺してしもうたがいの。」発動機船の舟方は、本土から帰ってばあさんに云った。
「そうかいの。」と、ばあさんは、じいっと船方を注視して話をきいた。
それは、船が本土を出帆するまぎわになると、放り上げた猫が、荷揚場から、又船へ飛び乗ろうとしているのだった。それを見つけると船方は、早速、水荷い棒を取って、猫をめがけて殴った。ところが、そう力は入れなかったのに、棒が急所にあたったと見えて、猫は一度にころりと海の中に落ちて死んでしまった。というのだった。
「ほんに、可憐そうに!……」