Japanische Klassiker mit Furigana
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むらさきしきぶ
紫式部
長谷川 時雨
Lesen Sie 紫式部 (むらさきしきぶ) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.199 Zeichen · 7 Bildschirme
の、古い書籍や紙の匂いが――悪い印刷インキの香は堪らない。
かつてわたしは、紫式部が、いろいろな女性を書いて来た後に、手習の君――浮舟を書いたことに、なんとなく心をひかれていた。
美女、才女、ありとある、一節ずつある女性を書いたあとで、浮舟や女三宮の現れたのを、よく読んで見たいと思った。今でもそう思っている。
その後、また、ふと、夕貌の宿の仮寝の夜の、あの、源氏の君の頭もとに来て鳴いている蟋蟀のことから、源氏ほどの人を、あの市井の中に連れて来て、賤の生活の物音を近間にきかせた手腕に驚いて、そういう意味で、も一度も二度も読み直そうと考えた。
そのいずれをも果していない。
何か、最近の感想で、紫式部に関したことはなかったかと、心の頁を繰返して見ると、あった。
それは、つい先日、一葉全集評釈の筆をとっているときに、一葉女史の小説のなかに、源氏物語がどんなに浸みていることかと驚いた。それで、一葉女史の後期――二十八年後半期の作の二、三を除いたらば、殆どといってよいほど源氏物語の影響下にある。
そのくせ、一葉女史その人は、日記のなかや、感想文などでは清少納言の方を挙げている、好きでもあるようだ。