Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さいきこうい

細木香以

森 鴎外

Lesen Sie 細木香以 (さいきこうい) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.332 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

わたくしは捜索を中止して、「あなたはお寺の方ですか」と問うた。

「はい。どなたのお墓をお尋なさいますのです。」女の声音は顔色と共にはればれとしていて、陰鬱なる周囲の光景には調和していなかった。

「摂津国屋と云うものです。苗字はさいきでしょうか。」魯文の記事には「さいき」とも「ほそき」とも傍訓がしてあるが、わたくしは「さいき」が正しい訓であるのを、たまたま植字者が「ほそき」と誤ったものかと思っていたのである。

「では細いと云う字を書くのでしょう。」この女は文字を識っていた。

「そうです。御存じでしょうか。」

「ええ、存じています。あの衝当にあるのが摂津国屋の墓でございます。」抱かれている穉子はわたくしを見て、頻に笑って跳り上がった。

わたくしは女に謝して墓に詣った。わたくしはなんだか新教の牧師の妻とでも語ったような感じがした。

本堂の東側の中程に、真直に石塀に向って通じている小径があって、その衝当に塀を背にし西に面して立っているのが、香以が一家の墓である。

向って左側には石燈籠が立ててあって、それに「津国屋」と刻してある。

墓は正方形に近く、やや横の広い面の石に、上下二段に許多の戒名が彫り附けてあって、下には各命日が註してある。