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Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

あったが、そう云ってもそれは、奥畑との間に何か約束でもしているのではないかと云った風な人の悪い疑念ではなしに、ただこの早熟な末の妹が、一年々々とほんとうの大人になりつつあり、誰よりも一番頼りにしていた自分の側をさえ離れて行きつつあるような、一種の淡い物足らなさを覚えたまでのことなのであった。

「うち、やっと仕事が済んだよってに、大阪へ帰って、当分毎日舞の稽古に通おう思うてるねん」

と、妙子は弁解とも付かずに云った。

「今、何習うてるのん」

「お正月やよってに、『万歳』教せてもろてるねん。中姉ちゃん、地イ弾けるやろ」

「ふん、大概覚えてるやろ思うわ」

と、幸子は直ぐに口三味線で唄い出した。―――

「徳若に御万歳と、御代も栄えまします、ツンテントン、愛敬ありける新玉の、………」

妙子はそれに乗りながら、立ち上って、身振をし始めたが、

「待って待って、中姉ちゃん」

と、自分の部屋へ走って行って、手早く洋服を着物に着換えて、舞扇を持って戻って来た。

「………チッツンチッツン、ツン、チンリン、チンリンやしょめ、やしょめ、京の町の優女、………大鯛小鯛、鰤の大魚、鮑、栄螺、蛤子々々、蛤々、蛤召ッさいなと、売ったる者は優女。