Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜっけいばんこくはくらんかい
絶景万国博覧会
小栗 虫太郎
Lesen Sie 絶景万国博覧会 (ぜっけいばんこくはくらんかい) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.752 Zeichen · 31 Bildschirme
絞め付けられて苦しくない人間なんて、この世に又とあろうもんかな。それから、可遊さんの方は、小式部さんから二、三尺程横の所で、これは、左胸に薬草切りを突き立てていたんだがね。それが、胸から咽喉の辺にかけて、血潮の流れが恰度二股大根のような形になっているので、ただ遠くから見ただけでは、何だか首と胴体とが別々のように思われてさ。全くそんなだったものだから、気丈の方では滅多にひけを取らない私でさえも、一時は可遊さんが誰かに切り殺されたんじゃないかとね、まさかに、斯んな粋事とは思えなかった程なんだよ。だから今日この頃でさえも、鰒の作り身なんぞを見ると、極ってその時は、小式部さんのししむらが想い出されて来てさ。いいえ、そんな涙っぽい種じゃなくて、たしかあの人には、死身の嗜なみと云うのがあったのだろうね。絞められても醜い形を、顔に残さなかったばかりじゃない、肌にも蒼い透き通った玉のような色が浮いていて、また、その皮膚の下には、同じような色の澄んだ、液でもありそうに思われて来て――いいえ全くさ、私は、小式部さんが余り奇麗なもんだから、つい二の腕のところを圧してみたのだがね。