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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜっけいばんこくはくらんかい

絶景万国博覧会

小栗 虫太郎

Lesen Sie 絶景万国博覧会 (ぜっけいばんこくはくらんかい) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.752 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして、厚い札束と共に、妖しい疑問の雲をお筆から譲られたのであったが、何故となくその紅色をした一等車と云っただけで、さしもお筆の心中に渦巻いている偏執が判ったような気がした。あの紅色の一点――それがどうして、下向いてはならないのだろうか。また、立兵庫を後光のように飾っている笄の形が、よくなんと、観覧車にそっくりではないか。

そうして、翌日になると、その一等室の買切りが、はや市中の話題を独占してしまったが、詰まる所は、尾彦楼お筆の時代錯誤的な大尽風となってしまい、その如何にも古めかし気な駄駄羅振りには、栗生武右衛門チャリネ買切りの図などが、新聞に持ち出された程だった。然し、やがて正午が廻って四時が来、愈々大観覧車の閉場時になると、さしも中空を塞いでいる大車輪にも、見事お筆の所望が入れられたのであろう。ぴったりと紅の指針を宙に突っ立てたのだった。

「ああ、やれやれこれでいいんだよ。お前さんには、えらいお世話になったものさ。だけど杉江さん、念を押すまでの事はないだろうが、あれは必ず、閉会までは確かなんだろうね。もし一度だって、あの紅い箱が下で止まるようだったら、私しゃ唯あ置きゃしないからね」