Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜっけいばんこくはくらんかい
絶景万国博覧会
小栗 虫太郎
Lesen Sie 絶景万国博覧会 (ぜっけいばんこくはくらんかい) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.752 Zeichen · 31 Bildschirme
或は、その笄と言うのが、殆んど記憶の中でかすれ消えてはいるけれども、そのむかし、玉屋の折檻部屋で、小式部が挿していたとか云う、それではなかったのであろうか。案の状杉江は、六十年前の心中話しに遡って行って、その時陰暗の中でお筆が勤めていた、或る一つの驚くべき役割を暴露したのであった。
「そう申せば、その黒笄の形と云うのが、あの時小式部が最後に挿していたと云う、それに当るでは御座いませんか。それに光子さん、その時お祖母さまは、立兵庫に紅頭の白鼈甲をお挿しになっていたので御座いますよ。それで、あの方の悪狡い企みをお聴かせ致しますが、やはりそれも同じ事で、今申した色の移り変り。その時は、原因が周囲にあったのではなく、今度は小式部の眼の中にあったのです。と申しますのは、何度も逆かさ吊りになると、視軸が混乱して、視界が薄暗くなって来るのです。それですから、その真下に当る硝子戸の裏に、銀沙を薄く塗って、お祖母様はそれに御自分のお髪を近付けていたのです。大体、銀沙を薄く塗った硝子板と云うものは、その塗った方の側に映っている像は、その背後から見えますけれども、却って裏側にあるものは、それに何一つ映る事がないのです。