Japanische Klassiker mit Furigana
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みどりのめ
緑の芽
佐左木 俊郎
Lesen Sie 緑の芽 (みどりのめ) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.815 Zeichen · 10 Bildschirme
のうちに死んで行ったのであった。
「俺、月給取るようになったら、毎月なんぼかずつでも家さ送って寄越しべと思って……」
それは菊枝の真情であった。彼女は、同級の誰彼が、みんないろいろの方面へ進んで行って、自分一人が野良に残されたことを悲しく思いはしたが、決して父親の苦しい生活を忘れてはいなかった。自分自身を救うと同時に父親をも、いやそれよりも自分を捨てて父親を助けねばならない……そういう気持ちから受験を思い立ったのであった。
「そんなことは心配しねえでも、まあ、みっしり勉強して……試験を受げさ行ぐ時の旅費ぐらい、父がなんとかしっから、こっそり行って受げて来い。」
「俺、父と二人ばりだら、試験なんか受げさ行かねげっとも……」
菊枝の両の眼には、いつの間にか熱い涙が湧いていた。
「父は、汝を百姓にしたぐはねえと思って……貧乏さえしてねげ、女学校さもなんさもやりでえのだが、貧乏なばがりに、ろくに書物も買ってやれねえが……」
「ちゃんや! ちゃん!……」
彼女は涙に光る眼を上げて、こう父親を呼んだが、父親のその温かい情に対して、自分の感情をどう表現していいか解らなかった。