Japanische Klassiker mit Furigana
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るこうしんそう
縷紅新草
泉 鏡花
Lesen Sie 縷紅新草 (るこうしんそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.566 Zeichen · 48 Bildschirme
――そこへ掛けると……」
辻町は、かくも心弱い人のために、西班牙セビイラの煙草工場のお転婆を羨んだ。
同時に、お米の母を思った。お京がもしその場に処したら、対手の工女の顔に象棋盤の目を切るかわりに、酢ながら心太を打ちまけたろう。
「そこへ掛けると平民の子はね。」
辻町は、うっかりいった。
「だって、平民だって、人の前で。」
「いいえ。」
「ええ、どうせ私は平民の子ですから。」
辻町は、その乳のわきの、青い若菜を、ふと思って、覚えず肩を縮めたのである。
「あやまった。いや、しかし、千五百石の女※(くさかんむり/(月+曷)」、第3水準1-91-26)、昔ものがたり以上に、あわれにはかない。そうして清らかだ。」
「中将姫のようでしたって、白羽二重の上へ辷ると、あの方、白い指が消えました。露が光るように、針の尖を伝って、薄い胸から紅い糸が揺れて染まって、また縢って、銀の糸がきらきらと、何枚か、幾つの蜻蛉が、すいすいと浮いて写る。――(私が傍に見ていました)って、鼻ひしゃげのその頃の工女が、茄子の古漬のような口を開けて、老い年で話すんです。その女だって、その臭い口で声を張って唱ったんだと思うと、聞いていて、口惜しい、睨んでやりたいようですわ。