Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょうねん
美少年
岡本 かの子
Lesen Sie 美少年 (びしょうねん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.417 Zeichen · 27 Bildschirme
落さぬよう射飛ばすボール板で標的に当てることをこども等にさせては人寄せする「大学校の先生」という玩具売りの露店などを、ちらりちらりと覗き見て、縁日の印象を帰ったらお祖母さんにいかに上手に話してやろうかとしきりに記憶の中へ貯め込むのに骨を折った。使ったせいか、繃帯を外ずして来た左の眼がしきりに痛み出して涙がぽろぽろ出だした。わたしは袂からハンケチを取出して押えねばならなかった。
少しの労りもなく、それをするわたしを冷然と眺めていた少年は、わたしの眼の手当てが済むか済まぬのにまたぐいぐいわたしを引立て、西河岸へ曲る角からお地蔵さまの近くまで来た。そこまで来ると少年はまたもやわたしに馴々しくして来た。
「そら、道が悪いよ。こっちを歩るきな」
わたしを自分の方へ抱え取った。
「この辺は、魚問屋があるので、無闇に水を往来に撒きゃあがるんだ。泥を着ものに跳ねかえしなさんな」
そういう少年の声音に、また、人に聞けよがしの不純な響が混って来たのをわたしは感ぜずにはいられなかった。すると、そこに並んでいる植木やと植木やの間から頭をいなせな角刈にした顔の長い青年が出て来て怪訝な顔をしていった。