Japanische Klassiker mit Furigana
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ろうふうふ
老夫婦
黒島 伝治
Lesen Sie 老夫婦 (ろうふうふ) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.957 Zeichen · 27 Bildschirme
またしても、むずかしい挨拶をさせられた。両人は固くなって、ぺこ/\頭を下げた。
「おなかがすいたでしょう。」坐敷を立ちしなに園子が云った。
「ヘエ、いえ、大事ござんせん。」
両人は、やっと自分達の四畳半に這い込んだ。
「うらあ腹が減ったがいの。」とばあさんは隣室へ聞えないように声をひそませながら云った。
「あゝ、シンドかったな。」
じいさんはぐったりしていた。それだのに両人は隣室にいる大佐に気がねして、長く横たわることもよくせずにちぢこまっていた。
「お前、腹がへりゃせんかよ?」
「へらいじゃ、たった焼饅頭四ツ食うただけじゃないかい!」
暫らく両人は黙っていた。隣室の話声に耳を傾けた。
「あのし等まだ去なんのかいのう?」
「さあ、どうかしらん。」
「いんたら、うらあ飯を食おうと思うて待っちょるんじゃが。」
それでまた両人は黙りこんで耳をすました。
「やっぱり百姓の方がえい。」とばあさんはまた囁いた。
「お、なんぼ貧乏しても村に居る方がえい。」とじいさんはため息をついた。
「今から去んで日傭でも、小作でもするかい。どんなに汚いところじゃって、のんびり手足を伸せる方がなんぼえいやら知れん。