Japanische Klassiker mit Furigana
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ろうじゅんさ
老巡査
夢野 久作
Lesen Sie 老巡査 (ろうじゅんさ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.237 Zeichen · 17 Bildschirme
それは肥満した彼が、事件で出動する度毎にいつも繰返した昔の癖であったが……。
門衛の部屋から出て来る制服制帽の彼を見ると、ルンペンの中の二人は追い払われるのかと思ったらしく逃げ腰になった。しかし真中の鬚男だけは、なおも金口煙草に気を取られているらしく片眼をつぶって、唇を横すじかいにしいしいプカプカと紫色の煙を吸い味わっていた。
睦田老人は、わざとニコニコしながらその前に近付いて行った。今朝、職工長から貰ったカメリヤの袋の中から三本を抜き出して、掌の上に載せながら……。
彼のそうした態度を見ると、三人のルンペンが急に帽子に手をかけてヒョコヒョコとお辞儀をした。
睦田老人は一世一代の名探偵になったような気持ちがした。心安そうに三人の間に並んで壁に倚りかかりながら、出来るだけ巡査口調を出さないようにして話しかけた。地面に投棄てられた金口の煙草を指しながら……。
「そんな金口は、どこから拾って来るかね」
「コレケ」
と鬚男は破れたゴム靴の片足で、その煙草を踏み付けながら答えた。
「これあ盛り場から拾らって来んだ。別荘町だら長えのが落ちてるッテッケンド、俺、行ったコタネエ」