Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おうがいのけんこうとし
耄碌寸前
森 於菟
Lesen Sie 耄碌寸前 (おうがいのけんこうとし) von 森 於菟 (もりおと) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.925 Zeichen · 89 Bildschirme
あるまいか。
また父は私の健康について常に気を配った形跡がある。私が医科を卒業してさらに理科に転じたのは父の命であったが、当時私自身はそれほど学問に身を入れる覚悟がなくぼんやりしていたため、終に新しい方面の学業に追いつかず一時神経衰弱になった結果、ある時すべてを放り出して家にも断らずに当時千葉県夷隅郡東海村日在にあった別荘に行ってしまった。これが父を非常に心配させ、妹喜美子(小金井夫人)を呼んで「於菟は喀血したのではないか。」といったそうである。大正六年夏ごろの父の日記の一節に「於菟急往上総。」とあるのがこれで、常に結核のおびやかしを身辺に感じていたことがわかる。
父が自分の健康のことで「仮面」を被ったのは肺結核ばかりではない。大正六年の父の日記を精しく読んで次のことに初めて気がついた。「三月二十六日。晴。予赴脚気調査会。予明治三十八年知右眼弱視。而不以告人。是日窺顕微鏡。知其全治也。」がそれで、大正六年といえば死の五年前、五十六歳の時である。弱視というのは眼科学の方では〇・三以下を称するときくがこれはそんな強いものではあるまい。その年齢関係と後に全治したというところから中心性網膜炎も考えられはしまいか。