Japanische Klassiker mit Furigana
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しょっこうとびしょう
職工と微笑
松永 延造
Lesen Sie 職工と微笑 (しょっこうとびしょう) von 松永 延造 (まつながえんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.696 Zeichen · 144 Bildschirme
そして、ミサ子の幻は何度も現れて、その職工を許してやれ、彼の女が許している如く一緒に許してやって呉れ、彼の女を愛する代りに彼を愛してやって呉れ、と訴えるのである。それはもう本統である。
私の生活が斯んなに破壊されても、それを怨むのは喜ばしい事ではないのであろう。ミサ子の幻は私に正当な処世法を教えているのが確実である。幻の教訓……それは既に紛乱の元である。私の友達は鞭を持って来て、あの職工を打とうとしている。けれど、鞭の音はそもそも何を意味するか?
懲罰?……懲罰ならば痛みを以てしてはいけない。
訓戒?……訓戒ならば痣を造る必要はない。
復讐?……復讐ならば――いや復讐でも、やはりもっと柔しくしてやらねばいけない。復讐を復讐でないものに変化させ、羽化させねばならない。毛虫は美しい蝶とならねばならない。之が昔からの言葉である。
ああ私は之から何うして生きて行く積りであろう。それは分らないが、鞭丈は何処かへ捨てて了う可きである。手ブラで歩いて行け。それ丈が兎に角分って来ている。
それから未だ考える可き重要な点が残っている。何んなにしても、あの職工を、もっと善良な方へ歩かしてやりたい事、その為には何んなに困難な施設をも怠ってはならぬと云う事である。