Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しょっこうとびしょう
職工と微笑
松永 延造
Lesen Sie 職工と微笑 (しょっこうとびしょう) von 松永 延造 (まつながえんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.696 Zeichen · 144 Bildschirme
私はもう駄目である。此の静寂が身に沁みて痛い。私はしまいに耐え切れなくなって、理由もなく増大する涙の粒を落した。
夜の戯れ
多くの病気に向って、紫色が好い影響を働く事を、英国のスノーデン博士が考えていた。そして主唱者の墜りやすい通弊として、彼もその影響の効果を過大視していたようである。我が院長に至ってはまるで誇大が狂的に迄進んで、私を嫌いな色でせめさいなんだ。彼は私の悪心を紫色で包み隠そうとしたのである。けれど彼は本統にそんな馬鹿気た望みを三分でも持ち続け得たであろうか? 私には何うしても院長の心持を洞察する事が不可能であった。
私は不眠癖に苦しめられ乍ら、毎夜を紫色の室で大人しくしていた。同じ色の絹で蔽われた燈光が、同じ光に見える音のない小噴水の水しぶきを柔らかく照した。何一つ落ちていない床の上の広い淋しさが真夜中になると一層広がった。私は何うかして眠ろうと願って、あの観無量寿経の中にある一つの静視法、即ち落ちる日輪から水晶の幻影を生み出す事を考え耽るのであった。だが、話したいのは更に別の事である。
その時であった。実に、物静かな空気が鼓膜に感じない前に、皮膚へ感じる程度の振動を起したので、私は忽ち我に帰って耳を立てた。