Japanische Klassiker mit Furigana
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しょっこうとびしょう
職工と微笑
松永 延造
Lesen Sie 職工と微笑 (しょっこうとびしょう) von 松永 延造 (まつながえんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.696 Zeichen · 144 Bildschirme
「駄目なのか? 本統に実行出来ないのか?」私は自分の胸を棒で打っては斯う問い続けたのである。
私は実に、斯んな工合であった。自分を嘲ける悪魔の声が、自分の心の中で聞え初めた時、私は何んなに絶望して床の砂を嘗めたであろう。悪人ぶると云うことを誇る程、私は未だ幼稚で善良であったのか? 殺人の妄想は単に脆弱な心の強がりであったのか? 曲った心の敗け惜しみに過ぎなかったのか? 之が問題なのであった。と云っても、私は何一つ弁解しようとは思わない。自分はやはり、結局、こんな工合で中気病みを続けた丈なのである。
その頃、私は自ら進んで、ある免職の小学教員と知り合いになった。事の初まりは、私が彼の落した財布を送り達けてやったと云う些末な点に過ぎない。けれども、私達は直ぐ親しく語り、連れ合って散歩する迄に友誼を進める事が出来たのであった。
或る日――二人は約束に依って、裁判所の前で出会い、此の町で起った一つの大きな事件――朝鮮人の十三人斬り――に関する裁判を傍聴した。その小学教員は「社会から不当な取り扱いを受けた哀れな男が、如何に彼自身も亦社会を不当に取り扱うか。