Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぎょうふじんかたぎ
職業婦人気質
吉行 エイスケ
Lesen Sie 職業婦人気質 (しょくぎょうふじんかたぎ) von 吉行 エイスケ (よしゆきえいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.355 Zeichen · 7 Bildschirme
3
田村スマ子女史が眼覚めると、隣室で仕事をしていた「彼氏浮気もの」が、
――やあ、お眼ざめですか、親愛な女史よ。
――あら、お早う、いつおかえり? ご挨拶なしで………………。
寝台から跳ねあがる音がして、黒いスカートのもとから素足のままで、フランのワイシャツに汚れたネクタイを締めながらスマ子女史は英介氏の部屋にやってきて、ストーブのまえでうずくまりながら、
――お仕事できたらしいわねえ。いいわねえ。カフェーでもいれますか?
――ありがと。
スマ子女史はワイシャツの縫目からミス・フランセのコバルトの細巻をとりだして火をつけると、蒸気のこもった部屋に水沫のように緑色の煙を吐き出して、
――だが、人に聞くと君はちかごろ恋のテクニックに夢中なんですって? ほんと?
――うそだよ。
カフェーを沸かしながら彼女は卓上電話をとると、麹町にある彼女の経営している店に電流を通じて、その日のスケジュールをつくるために店員たちと約束客の時間の繰合わせについて打合せを始めた。
午前九時前であった。
――ちょいと君はこんどのクリスマス・イブには妾になにを贈ってくれる?
――精神的なものを――。