Japanische Klassiker mit Furigana
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にくたい
肉体
豊島 与志雄
Lesen Sie 肉体 (にくたい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.219 Zeichen · 26 Bildschirme
そして名古屋の母とどういう風に話をつけたものか、子供は彼女の籍に入れることにきまりました。それについて、怨みがましいことも云わないで、後々の約束もなにも持出しませんでした。
――一体、どうするつもりかしら?
そういう疑念が、私の胸に起りました。いえ、それは前からあったのですが、その頃から初めてはっきりした形になってきた、という方が本当でしょう。
皺のよった赤いぶよぶよした、そして頭の毛だけが妙にこい……その、赤ん坊を、私は不思議そうに眺めました。不思議なだけじゃなく、不気味な気さえしました。がそれは、生れた時弱々しかったに拘らず、大して病気もせずに、育っていきました。母親の乳がよいのだそうでした。それでも彼女はのんきで、髪結に行く時なんか、子供は小女に任せたきりで、牛乳を一本買っておいて、ゆっくり遊んでくるのでした。前よりも、顔の皮膚などつややかになったようでした。
子供が一人ふえたきりの、相変らずの日々が続いていきます。トキエは遅く起き上って、ぼんやり微笑んで、夢想して……いや、夢想さえもしていないようです。ごくたまに、以前懇意だった芸者が二三人、子供を見に来るくらいで、殆んど訪れてくる知人もなく、こちらから訪れる知人もありません。