Japanische Klassiker mit Furigana
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はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
Lesen Sie 肌色の月 (はだいろのつき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.706 Zeichen · 101 Bildschirme
「あの女のすることは、われわれにはわかりません……湖底に吸込孔があるとかないとかという口争いになって、そのうちに、いきなり飛びこんじゃった……一分以上経ってもあがってこないもんだから、大池の伜が心配して、空気ボンべを背負ってようすを見に行くと、いきなり水藻の中から出てきて、送気のゴム管を握って沈めにかけたというんです」
「妙な話だな。それを誰がいうんだ」
「大池の伜が……それで石倉という管理人が引分けに行ったが、あばれて手に負えないので、片羽絞めで落しておいて、やっとのことでひきあげたんだそうです」
主任はなにか考えてから、木村にたずねた。
「近くに、舟がいたか」
「私が……」
と畑中がこたえた。
「二百メートルほど離れたところで錨繩を曳いていました。女の飛びこむところは見ませんでしたが、女をひきあげる前後の状況はだいたい事実だったように思います」
「それで?」
「ずっと酸素吸入をしていましたが、今のところまだ意識不明です」
「病院へ送ったろうね」
「いえ、病院に持ちこむには、行路病者の手続きをしなくてはならないので、ロッジのガレージにおいてあります」
「あの女に死なれると、捜査のひっかかりがなくなるんだぜ。