Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はだいろのつき

肌色の月

久生 十蘭

Lesen Sie 肌色の月 (はだいろのつき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.706 Zeichen · 101 Bildschirme

Aozora Bunko

われわれがひっかかるのは、得てして、こういう単純なことにかぎるんだから」

「大池はどこにいる?」

「それは土地署の練達に伺うほうが早道だ……丸山さん、大池が生きているとすれば、どの辺にいるでしょう。可能性のことだが」

丸山捜査主任は、図面を見てくださいといいながら、床の上に地図をひろげた。

「二十三日の金曜日の朝以来、萩、十足、湖水の分れ道、吉田口……この四ヵ所で終日検問を実施しているが、大池らしいやつが出た形跡がないから、潜伏しているなら、湖水を中心にした十号国有林の中以外ではない……このロッジの地境に猪除けの堀がありますが、そのむこうが十号国有林の北の端です……いまは気候がいいから、そのつもりでテントや食糧を用意して入れば、二ヵ月や三ヵ月は平気でしょう……ただし、つかまえようということになったら、五百人ぐらいも人を出して山狩りをしないことには、どうにもならない。また、そうしたからといって、かならず成功するとは保証できません」

神保部長刑事が思いついたようにいった。

「加藤君、昨日は、警戒されて失敗したが、もういちど宇野久美子を泳がせてみるか。大池としては企図したことが成功したんだから、そんなところにこれから幾月も隠れていることはない。