Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はだいろのつき

肌色の月

久生 十蘭

Lesen Sie 肌色の月 (はだいろのつき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.706 Zeichen · 101 Bildschirme

Aozora Bunko

「煙突から炎をだすと石倉がやってくる」

大池が石倉を恐れているのは意外だった。

「石倉が来れば、困ることでもあるの」

大池は返事をしなかった。

「大池さん、まあ、聞いてちょうだいよ……雨の中で拾われたのはありがたかったけど、ロッジに泊めてもらったばっかりに、さんざんな目に逢ったのよ」

そんなことをいっているうちに、われともなく昂奮して、この二日の間の出来事を洗いざらいしゃべった。どうでもいいつもりでいたが、深いところでは、やはり腹をたてていたのだとみえ、しゃべりだすと、とめどもなくなった。

「あなたは生きているんだから、自殺干与や殺人の容疑はなくなったわけだけど、今夜、二人だけでいたことがわかると、共犯だなんだって、またむずかしいことになるのよ……逃げまわるのは勝手だとしても、あたしがK・Uなんて女でないことを証明していただきたいのよ。どんな方法でもいいから……」

大池がまじまじと久美子の顔を見かえした。

「K・Uなんて女性は、はじめっから存在しない。あれは君代が警察をまごつかせるために、考えだしたことなんだ……こんな目にあわなかったら、明日、伊東署へ行くつもりだったが……いや、早いほうがいい。