Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
Lesen Sie 肌色の月 (はだいろのつき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.706 Zeichen · 101 Bildschirme
「大池さん、十時間や十二時間、すぐ経ってしまってよ……一人でいるのが不安なら朝までおつきあいしますから、イライラするのはよしなさい……だいじょうぶ、死にはしないから」
「自分の身体のことは、私がよく知っている。とても明日の朝まで保ちそうもない。だめだという感じだけで参ってしまうんだ……頭のたしかなうちに、言っておきたいことがある。宇野さん、聞いてくれないかね」
聞きたいことなど、なにもない。だまっていてくれるほうが望みだったが、大池のあわれなようすを見ると、そうは言いかねた。
「聞いてあげてもいいわ。それで、あなたが気が休まるなら」
「私が何者だか、君はもう察しているだろう。二十日の朝、名古屋の私のところへ、君代が東京から長距離電話で、こんなことをいってきた。半年近く逃げまわって、忠平が疲れきっているから、すこし休ませてやりたい。忠平のところへ石倉をやって、この湖水で自殺するという遺書を書かせたが、形のないことではしょうがないから、伊豆へ行ってロッジで一と晩、泊ってくれれば、あとは石倉がいいようにこしらえるから、という話なんだ」
「石倉って、どういう関係のひとなんです?」