Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はいたい
胚胎
宮本 百合子
Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme
頭奴は斯う申し居る、
只謀じゃほんの一っ時の――
したがわけもないのに只あやまる――何と云う意志のない事じゃ。
意志の悪いまま母に育てられた可哀そうないじけた子のあやまれと云わるるがままに震える声で、
母様、御免
と云うと同じほどのわけのわからぬ不甲斐ない事じゃ。
まま親が育てた子の不甲斐ないのは同情もいたさりょうが、王の不甲斐ないのは只世のもの笑となるばかりの事じゃ。
若しわしが、
あやまりまするじゃ
と一言申せば、あらゆるそしり、あらゆる下げすみをだまって聞かねばならぬのじゃ。
わしの母御はわしを育てるに心をお用いなされた、寒中の寒に堪ゆる事も暑さに堪ゆる事も又はせわしい仕事にたゆる事をお教えなされたのじゃ。
しかし、そしりをうけ、下げすみをうけた折にようこらえる術は教えて下さらなんだ。又その様な汚らわしいものをよううけいでもすむわしだとお思いなされであったかも知れぬ、……
粉雪のサラサラ云う音はやんで本降りにソクソクとつもって行く。
遠くの方で――それでも城の内でかすかに俗謡をうたって居る声と笛の音がする。
王の声と様子は段々重くなやまし気になり時に吹く風に歌の声と笛の音は折々とぎれてはまた続く。