Japanische Klassiker mit Furigana
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はいたい
胚胎
宮本 百合子
Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme
雪が埋るほど積った日に、わざわざカノサまでヘンリー王があやまりに来た時の事をさ。
第二の若僧 ほんとうにあの時は今までになく目覚ましい事だった。(一人言の様に云う)
老僧は窓の処から外を見て動かない。
第一の若僧 七日七夜、寒さと饑に眼ばかり変に光る王が尚威厳を保とうとしたあやうい足許でお師様の前に立った時――
ほら知ってるでしょう、
あんなに奇麗な外套には泥の「しみ」がいっぱいついててねえ。
真青な顔の上に髪が乱れかかったあの王の前のお師様はほんとうに立派だった。
濡れた着物のまんま私共をにらみながら、
「仲なおりをしよう」と下手に出ておっしゃた王の眼は、今思い出せば随分謀み深い色だったけど――
ねえその時に、そんな事に気のついたものが一人だって有っただろうか、きっとなかったに違いない。
私達は、あんまり上熱すぎたんだ。
二人は顔を見合わせて淋しく笑う。
老僧 お得意になってか――
向うを向いたまんま云う。二人はフット口をつぐむ。それから又話しつづける。
第二の若僧(声をひそめて)ねえ私達はほんとうに巧く「わな」にかかった。
ほんとうに巧者にだまされてしまった。