Japanische Klassiker mit Furigana
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はいたい
胚胎
宮本 百合子
Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme
老僧 しかしね、
どうしたって今日は駄目ですよ。
大変お疲れ遊ばしてだし第一今御目ざめなすったばっかりなんだから、
「明日」って云ってお帰しなさい。
その方がいい。
法王(老僧の背後から声をかけて云う)これ婆さん。
わしはよろこんで会うからここへお呼び。
老爺 お勿体もない御方様へ申します。
何にもその様に、今日に限ったことはござりませぬ。
三日も立ちましたならおつむりも軽くなる事でござりましょうから、その時にせいと申します。
それがよい。のう婆。
老婆 そうの事、そうの事。
それがいっちよい。
都にござらしてお歴々のお方の前へ度重ねてまかったものとはずんと違うて、お勿体もない、かたじけない、と思うと涙をらちもなく霑すのと、他愛もなく笑いこける事より存じませぬ者ばかりでござりますもの。
法王 わしはそれがうれしいのじゃ。
早く呼んでお出。
老爺 ほんに有難いと申しても足りぬほどじゃわい。先祖さえよう持たぬ老ぼれ爺が、法王様からお言葉なんかいただくちゅーは。
大きな手で信心深さに流れ出した涙をふきながら、
老爺 そんなら、そう致しますだ。
二人は戸口から去る。間もなく静かに沢山の足音がして日曜に着る着物を着た男女が多勢出て来る。