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Japanische Klassiker mit Furigana

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のうめんのようしき

能面の様式

和辻 哲郎

Lesen Sie 能面の様式 (のうめんのようしき) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.530 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

その時「浅ましい」という言葉で言い現わしたのは、病的、変態的、頽廃的な印象である。伎楽面的な美を標準にして見れば、能面はまさにこのような印象を与えるのである。この点については自分は今でも異存がない。

しかし能面は伎楽面と様式を異にする。能面の美を明白に見得るためには、ちょうど能面に適したように眼鏡の度を合わせ変えなくてはならぬ。それによって前に病的、変態的、頽廃的と見えたものは、能面特有の深い美しさとして己れを現わして来る。それは伎楽面よりも精練された美しさであるとも言えるであろうし、また伎楽面に比してひねくれた美しさであるとも言えるであろう。だからこの美しさに味到した人は、しばしば逆に伎楽面を浅ましいと呼ぶこともある。能面に度を合わせた眼鏡をもって伎楽面を見るからである。

もし初めからこの両者のいずれをも正しく味わい得る人があるとすれば、その人の眼は生来自由に度を変更し得る天才的な活眼である。誰でもがそういう活眼を持つというわけには行かない。通例は何らかの仕方で度の合わせ方を先人から習う。それを自覚的にしたのが様式の理解なのである。

では能面の様式はどこにその特徴を持っているであろうか。