Japanische Klassiker mit Furigana
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lesen Sie 自叙伝 (じじょでん) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.021 Zeichen · 230 Bildschirme
どうして彼女等がそこにいることを知ったのか、また隅田がどんな病気でそこにいたのかも忘れてしまったが、僕がその病室にはいるといきなり礼ちゃんはそとへ飛び出して行ってしばらく姿を見せなかった。そして隅田はマッサージをやらしていた。
「はあ、奴、知らないお客だと思って逃げ出したんだ。」
隅田は笑いながらそう言って、そのマッサージ師に彼女を呼びにやった。
彼女は「まあ」と言って、びっくりしたような顔をしてはいって来た。
その時隅田は、前に東京へ出て英語を勉強したいために憲兵になって、憲兵何とかいう学校にはいっていたが、その後どこかへ転任して、今病気で東京に帰っているんだというような話をしていた。そして僕が社会主義者になってもう二、三度入獄していることについても、困ったものだがしかし君の性格上仕方があるまいというようなことを言って、礼ちゃんはそれに「ええ、あんまりできすぎるからだわ」と弁解して附け加えていた。
が、その時には僕は三十分ばかりで帰って、その後また彼女夫婦がどうなったかはしばらくちっとも知らなかった。
すると、それからまた四、五年して、僕が例の神近や伊藤との複雑な恋愛関係にはいり始めた頃のこと、最後の三度目に、また突然と礼ちゃんが現れて来た。